意外と知らない!「月経(生理)不順」ってどんなもの?
月経(生理)不順の基礎知識
悩んでいる女性は多いけれど、意外と理解されていない月経(生理)不順。
「月経不順」と一言でいうのは簡単ですが、様々な症状があり、それぞれ原因や治療法が違います。
そこで、まずは月経不順の基礎知識について解説していきたい思います。
月経とは?
「月経」とは、成熟した人間の女性の子宮から周期的に起こる生理的出血をいいます。子宮内部の粘膜層は、子宮内膜といい、卵巣が分泌するホルモンの影響を強く受ける部位です。女性は月経周期に伴って、周期的な変化をすることが知られています。排卵したが、その卵が受精しなかった場合、この子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに子宮口、膣を経由して体外に排出されるのが「月経」です。そのため妊娠すると、出産の数ヶ月後まで月経は停止します。
初めて生理を迎えることを「初経」といい、最近では低年齢化が進んでいます。
現代の初経平均年齢は、12~15歳ぐらいだと言われています。
(★月経周期とは、月経開始日を1日目として、次の月経が開始する前日までの日数をいいます。)
月経は思春期に始まり(初潮)、個人差はありますが、閉経時期までの間におよそ28日周期で起こり、通常3~7日間続きます。(正常月経周期:25日~38日)
月経(生理)不順とその種類について
月経(生理)不順とは、生理周期や出血量、出血している期間、生理痛が通常とされているものから外れているものを指します。成人女性の月経周期は、通常30日前後で卵巣などから分泌されるホルモンによってコントロールされており月経不順には様々な種類があります。
■月経持続期間の異常
過短月経: 出血期間が異常に短縮する(2日以下)
過長月経: 出血期間が異常に長くなる(8日以上)
■月経周期の異常
頻発月経/経早/月経先期: 月経周期が異常に短縮する(24日以下)
稀発月経/経遅/月経後期: 月経周期が異常に長くなる(39日以上)
不正周期月経/経乱: 月経周期が不定期なもの(毎回の変動が7日以上)
■月経量の異常
過少月経: 20ml未満
過多月経: 140ml以上
■無排卵月経
生理のような出血はあるけれど排卵していない状態を「無排卵月経(無排卵周期症)」といいます。
これは、排卵障害の一つで不妊の原因となります。
無排卵月経は、初潮を迎えたあとの思春期や閉経が近づいた更年期に見られますが、これは生理的な現象なので大きな心配はいりません。
しかし、30代の女性に病的な「無排卵月経」が起こることも比較的多くあります。生理のような出血があるため、排卵が起こっていないことに気づかずに、不妊で婦人科を受診して初めて無排卵であることが明らかになるケースも少なくありません。
■無月経
「無月経」とは性成熟期を迎えた女性で月経がこない状態のことで、生まれてから一度も月経のない「原発性無月経」と月経がきたものの無月経の状態に陥った「続発性無月経」があります。
●「原発性無月経」・・・満18歳を迎えても初経が来ない状態。
●「続発性無月経」・・・月経が3カ月以上停止している状態。
「続発性無月経」は、妊娠、授乳、閉経などの生理的な変化による要因も含んでおり、病気の原因だけではない部分において注意が必要となります。
また、程度によって「無月経」は2つのタイプに分かれます。
【第1度無月経】・・・黄体ホルモンの分泌不足(※無月経が1年以下)
【第2度無月経】・・・卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌不足(※治療が難しく、排卵が起こりにくくなります。)
※詳しい解説は、こちら!
■月経発来異常
早発月経: 10歳の誕生日より前に初経を迎える
遅発月経: 16歳の誕生日より後に初経を迎える
■月経困難症
月経と同時、またはその前後にみられる下腹痛や腰痛をはじめ不快な症状で、これが病的にひどく、日常生活に支障をきたし治療を必要とするようなものをいいます。
一般的な「生理痛」とは区別されており、症状の例を挙げると、生理に伴い...
「痛みがひどく、横たわっていないと耐えられない」
「つらくて学校や会社に行けない」
「家事すらも出来ない」
などの症状や痛み以外にも吐き気や食欲不振、下痢、頭痛などの症状があらわれることもあります。
※詳しい解説は、こちら!
■月経前症候群・PMS
PMSとは、 Premenstrual Syndromeの略です。
PMSとは「通常、月経の2週間ないし1週間位前からおこり、月経開始とともに消失する周期性のある一連の身体的、および精神的症状を示す症候群」と定義されています。
月経の前に、カラダやココロの調子が悪くなり、次の生理の始まりとともに自然に軽快する、いろいろな症状のことをいいます。PMSの症状は、人によって様々です。
※詳しい解説は、こちら!
月経周期の日数のカウント法って?
月経周期は、「前の月経が始まった日から、次の月経が始まる前日までの日数」で表します。月経は「終わった日」ではなく、「始まった日」が大事です。月経が始まる日数が、25日~38日の間に入っていれば、それは正常な月経周期と言えます。多少のぶれは普通で、数日前後するのは正常範囲内です。
月経周期が、24日以下だったり39日以上だったりした場合は、「月経不順」ということになります。
3ヶ月間全く月経が無い状態は、「無月経」と呼びます。
クリニックに行くタイミングは?
女性の体はデリケートなので、ストレスや環境で排卵が遅れたりすることがあります。1~2週間程度のずれは想定内と言えますが、月経不順が半年以上続くような場合は、一度クリニックに行って診察を受ける事をオススメします。
また不順ではなくまったく、月経のない状態(無月経)の場合は、2ヶ月を過ぎた段階で診察を受けることをオススメします。
身体の異常なのか?
妊娠のせいなのか?
服用している薬のせいなのか?
原因を探る事が大事です。
特に、将来的に子供が欲しい方にとって、無月経状態はあまり良い状態とは言えないので、早めの検査と対処が必要となります。